長期優良住宅化リフォーム補助金について 2

長期優良住宅化リフォームの補助金について、少しだけ踏み込んでみます。

長期優良は国の進めたい住宅の仕様で、75年~100年住み続けることができる家ということは、前回書きましたが、ただ長く住める(引き継げる)だけではなく、色々な項目で高性能化が図られています。

概略で、

・「構造の劣化対策」、「耐震性」、「省エネ対策」、「維持管理・更新の容易性」、「高齢者対策」、「可変性」、「面積の確保」、「居住環境」、「維持保全計画の策定」

といった項目です。例えば「維持管理・更新の容易性」の部分であれば、屋根裏、バルコニー裏や下屋裏などが点検できるよう天井点検口を全箇所に設ける、又はダウンライトからファイバースコープを入れて点検できるようにするということになっています。

一つ一つは細かなことですが、確かにこれがあるだけで漏水の確認などがすぐに出来てメンテナンスに素早く対応出来るはずで、私は良いことだと思っています。

もう一つ、最後に出ている「維持保全計画の策定」です。新築でもありますが、ほとんどの場合完全に形骸化してしまっていて、実用的ではありません。リフォームの申請に出すものも、実用的でなくてもただ提出するだけは簡単です。ただ、これは何年後にここを点検して、何年後にはここを補修しない見込みという一覧表になる訳で、お施主様、施工会社ともにしっかりと考えて作ることをお薦めします。これによって家のメンテナンス費用が節約できたり、点検を怠っていたために住まいが劣化し短寿命化してしまうことを防げるはずです。

あと、条件ではありませんが、この補助金で外壁塗装や屋根塗装などもカバーしてもらえることになっています。

 

「長期優良住宅」とは?

リフォームの補助金のご相談で筆頭にあがってくる、長期優良住宅化リフォームの補助金。

この「長期優良住宅」ってそもそも何の事?ということで、簡単に概略をご説明してみます。

昔から、住宅を新築するときは住宅金融公庫を利用して、少しお得に借り入れをする仕組みがあることは何となくご存知の方も多いと思います。この金融公庫の借り入れをする際には、昔は「公庫仕様」などと言って、建築基準法よりも少し厳しい、性能の高い家を建てる仕様が国から設定されていました。

その公庫仕様が、フラット35になり、そこに「長期優良」というオプションもつけるとさらに借入条件が良くなったり、節税ができるということになっています。

国はかなり昔から、この借入条件や節税の条件を利用することで、推し進めたい住宅の仕様を広めていたという訳です。

そして「長期優良」という内容は、言葉の通り長持ちさせる(75年~100年)家の仕様というのと同時に、昨今の環境問題から省エネ対策、断熱などもかなり高性能な仕様に設定されています。(といってもすぐに標準仕様になってしまいそうです)

「長期優良住宅化リフォーム補助金」は、そうした国の広めたい住宅仕様である「長期優良住宅」にリフォーム近づけることに対して、補助金が出るというものです。

今回はこの辺りで、細かなことはまた次回以降の機会に譲ろうと思います。