壁式RC構造のマンション

上は国立公文書館の公式ツイッターの記事です。

壁式RC構造のマンションは、とにかく強い。崖の上から丸ごと落としても壊れないと、20代のころ先輩に教えて頂いたことがあります。その時は、あまり深く考えていなかったのですが、リノベーションで補助金申請に携わることになったときに、それが間違いではなかったことを確認することになりました。

中古マンションを買ってリノベーションをローンを組んでしたいとします。するとフラット35というものが、お得に借り入れでき、しかも固定金利で安心としてまっさきに案内されると思います。

ところがこの国の融資制度、フラット35は耐震基準適合証明書と言って、現行の耐震基準に相当する証明書がないと、利用することが出来ません。

現行の耐震基準は、昭和56年6月以降の確認申請から適用されているため、それより新しい建物でしたら、諸経費程度でその証明書を発行してもらえます。ところが、それより古い建物でしたら、図面に基づいて現地調査を行った上に耐震診断の構造計算を行わないといけない上、ほとんどの構造の場合、かなりの補強工事を行わないと現行の耐震性能を出せないので、調査費+耐震診断・構造計算費・耐震改修費とかなり高額の出費を捻出しないと、耐震基準適合証明書を発行してもらえません。(図面が紛失してしまっていた場合は、さらに図面の復元のために膨大な費用になります)

ところが、壁式RC構造の場合、まず、もともとかなり安全側に余裕をもった計算設定になっているので、昭和56年6月よりも古い確認申請のものでも、耐震診断で補強は不要になることがほとんどです。さらにその余裕をもった計算がベースになっている為か、耐震診断の計算方法について、国から簡易な耐震診断の方法が定められていて、その計算結果で耐震基準適合証明書を発行してもらえます。つまり、耐震診断費がかなり安くすみます。

それに、フラット35とは別ですが、耐震基準適合証明書を発行してもらえると、住宅ローン控除を受けることが出来るので、200万~400万円程度の節税が出来ます。

このように壁式RC構造のマンションはお得ずくめです。が、一番今回伝えたかったのは、シンプルに「強い」ということです。

冒頭に引用して写真を表示させて頂いたのは、1964年の新潟地震のときのものです。壁式RC構造のマンションが地盤の液状化のせいで、(当時は杭を打っていなかったこともあって、)まるごと倒れたにも拘らず、壁式RC構造自体はどこも変形や階がつぶれるような事が起きていませんでした。印象的に壁式RC構造の強さを見せてくれている写真だと思います。

あくまで耐震診断を実施しないと確かなことは言えませんが、壁式RC構造はそういう傾向があるのは確かです。

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